プレートファンとは?

プレートファンは、ラジアルファンの一種であり、シンプルな構造で汎用性の高いファンです。プレートファンは羽根の出口角度がほぼ90°で、羽根が直線状のものと曲線状のものの2種類あります。羽根は半径方向に6枚〜12枚程度配置されているため、応用用途が広いという特徴も有しています。また、羽根の形状は簡単であるため、羽根車の強度も高いです。一方で、効率や騒音など送風機としての特性はそこまで優れていません。

プレートファンは同一圧力において、羽根にかかる負荷が他のシロッコファンやターボファンなどの遠心ファンより低く、高温ガス用として使用されています。また、広く開放的な構造になっているため、付着性のダストを含むガス用や、摩耗性のダストを含むガス用など、固形物の空気輸送用としても利用されています。羽根の摩耗や汚染時には、交換や清掃が比較的容易であるメリットもあります。

圧力特性と動力特性

プレートファンの圧力特性は比較的フラットであり、抵抗の変化に対して風量の変化が大きいのも特徴です。また動力特性は、風量とともにほぼ比例的に増加します。一般的にラジアルファンの効率は65%〜75%であるものの、プレートファンは効率が低く、側板のないオープン型の場合で50%〜60%、側板のあるクローズド型で55%〜65%程度です。

静圧、風量について

プレートファンは、シロッコファンやターボファンなどの遠心ファンと比べて、静圧は比較的低い傾向にあります。また、圧力曲線はなだらかであり、少しの静圧の変化で風量は大きく変化する特徴があります。

風の方向性

プレートファンの風の方向性はシロッコファンやターボファンと同じく、軸方向に吸い込んだ風を90°曲げた方向へ側面から放射状に吐き出します。

主な使用用途、業界

プレートファンは簡単な構造であり、羽根車の強度も高いことから、過酷な環境下での使用が多くなります。たとえば、火力発電所の微粉炭輸送用やセメント工場での排・送風機、粉塵や異物を含んだ空気輸送機、高温ガス用、木工チップのカット用などがあげられます。このように、プレートファンは高温・高圧下や粉塵や固形物などが混合した環境下においてよく使用されています。

メンテナンスについて

プレートファンの羽根は、掃除が比較的容易です。一方でプレートファン全体のメンテナンスは、軸受やケーシングなどの部品も多いため専門知識が必要です。プレートファンを安全にメンテナンスして安心して使用し続けるには、専門業者への依頼をおすすめします。
弊社でも、自社製品以外のメンテナンスを実施しています。ファンを長く使うためにも、一度相談してみてください。

ファンの特徴

風量 小~中
静圧 小~中
使用温度(羽根の接触温度) 1,100℃MAX
風の方向性 吸気に対して90℃横方向
よく使われる用途 攪拌・循環
よく使われる業界 金属部品の熱処理装置

メリット

  • 羽根車の構造がシンプル
  • 粉塵や粉体も対応可能
  • 掃除が容易

デメリット

  • 効率が低い
  • 騒音が大きい

こんな場合におすすめ

  • 高温ガス用
  • 粉塵や異物が混入した空気

製作事例